BLUE MOON
第7章 立場
「あっ…ハァッ…」
荒々しく腰を打ち付ける俺は獣だ。
風呂場に連れてくると戸惑うモモの衣服をさっさと脱がしシャワーが打ち付けるその場所に手を付かせた。
「電気…」
消さないよ、消すわけないだろ。
「…んぐっ…」
俺の指を咥えさせキミの唾液を纏った指をまだ潤みきっていないモモのナカに一気に2本滑り込ませる。
「ハアッン…」
ビクつかせるモモの体
ただ蜜を溢れ出させるためにだけに差し込まれた指はくの字に曲げ一点を擦る。
「涼さ…」
風呂場の壁には当たり前だが凹凸がない。
モモはそれなのに自分の体を支えるために平な壁にしがみついていた。
「桃子…」
十分に潤んだその場所から指を抜き
「うあんっ…」
何も纏っていない熱を蓄えた自身を捩じ込む。
そして
「腰突きだして」
電気が煌々と光る風呂場でしなやかに反る背中に唇を落としながら本能のままに打ち付けた。
…俺は何をしてるのだろう
結局、俺は雅との縁談を断れずに帰ってきた。
それは喫茶室で涙を流していた雅の気持ちを無下にはできないと思ったからだ。
別に惚れてる訳じゃない。
ただ…
「涼さ…アンっ…あっ…」
会社が絡んでることとなると簡単には断ることが出来ない。
うちのグループ会社で働く何千、何万人の生活が俺みたいな若輩者の肩にもかかってる。
『ここのところ少し業績不振なのはわかってるだろ?』
ロビーで帰りがけに親父に言われた台詞。
この見合いだけはお袋がどんなに勧めてきても首を縦に振っちゃいけなかったんだ。
いや、親父と雅の親父さんの話を耳にしているとどんなに逃げ回ってもいずれはこうなったのだろう。
金で苦労したことは一度もない。
株の配当で買ったこのマンションも車も悔しいけど俺の実力じゃない。
「…腰落ちてる」
惚れた女の顔も見ずにバカみたいに腰を振る俺は最低だ。
「涼さ…」
腰を掴む手にモモの華奢な手が添えられる。
離れたくないと願うのはキミも一緒だよな?
今の俺はスーツも家柄も何も纏っていないただの男
だからこのままモモのナカに俺の分身を…
モモを苦しめてしまうかもしれない言葉が脳裏を霞める。
最低最悪の男は添えられた華奢な手を握りしめキミのぬくもりを感じていた。