BLUE MOON
第3章 鼓動
「涼さ…」
知らなかった
「…あんっ…あ…」
触れられることがこんなに気持ちいいものなんて。
涼さんの指と唇が這うと身体中に電気が走る。
そのお陰で声を抑えようとしても溢れるように出てきてしまう。
「もう少し力抜ける?」
「…イヤァ…ハァッ…ん…」
それなのに体全体が雲の上にいるかのようにフワフワと浮いている感じがしする。
だからなのか力が入らない。
「狭いな」
「…え…待って…汚い…ああんっ…」
とんでもないところに顔も指も埋められているのに抵抗もできない。
大きなベッドがひとつあるだけの部屋に響くのはピチャピチャグジュグジュと私を愛してくれる音と
「増やしてみようか」
「…あ…あんっ…ダメ…涼さ…」
聞いたこともない私の淫らな声
高校生の時に味わったそれとはまったく違う愛撫に溶かされていた。
「…ハァッ…もう…もう…」
「イけたらイってごらん」
得たいの知れない波が下腹部から押し寄せてくる。
「あ…あんっ…ンクッ…」
怖くなって涼さんの手をギュッと握ると何かが弾けるように力が抜けた。
苦しかった。
「涼…さ…涼…さ…ん…」
「ゴメン、ちょっと無理させちゃったかな」
でも、涼さんにふわりと抱きしめられるとその苦しさが愛しさに変わる。
「涼さ…」
髪を整えるように撫でてアーモンド色の瞳が微笑めばまた鼓動が速まる。
「桃子…」
もっともっと涼さんに溺れたいと願ってしまう。
カタカタと音がする頭上に目を向けると
「…」
涼さんは四角いそれを口に鋏んで器用にパッケージを開けて
「モモのエッチ」
「えっ!違う…違いま…」
私の唇をまた奪う。
舌が絡められるとまたフワフワとした世界に入り込む。
「桃子…」
「はぃ…」
「痛かったら我慢するなよ?」
敏感になったそこに熱をもったソレが添えられる。
「我慢します」
「だから 煽るなって」
私は涼さんの背中に手を回して覚悟を決める。
「クククッ。力入れすぎ。」
「だって…」
「じゃあ キスしながら挿れてみようか」
これだから大人の人は…
コクりと頷くと涼さんはクスリと笑ってキスを落としてきた。
「…んぐっ…」
ゆっくりと進む彼の熱
「ヤバい」
思ったよりも痛かった。