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俺は彼を愛してる

第1章 first contact

僕は男の子が好き

小学生の時に初めて好きに成った子も
高校生の時に好きに成った子も
男の子だった

勇樹(ゆうき)って呼ばれるより
花井だから 花ちゃんって呼ばれたい

大学生に成って家を出て

在学中に家族にゲイである事を
カムアウトしたら

そのまま勘当されてしまった…

親からの仕送りは止まったけど
家賃だけは払ってくれていたから
ギリギリなんとか生きていられたのよ

母さんだけは
こっそり連絡をとっていたものの

経済学部を卒業して銀行員になって
社員寮に入ってからと言うもの
ますます実家とは
疎遠に成ってしまった…



僕の友達はノリのいい女の子達で

中でも ゲイの僕でもキレイだと思う
鈴夏(すずか)が
最近好きになった人を紹介したいと
ボーイズバー 一(はじめ)に
連れて来てくれたのは昨日の事だった



日付が変わって



ダーツもビリヤードもしないで
カウンター席に座って
管を巻き出した鈴夏

「一鳳(かずほ)さぁん
今日はツー君お店に居ないのぉ~?
もぉ~ 花ちゃんにも
見て貰いたかったなぁ~」

日サロとボクシングジムに
通って居るらしく
見てるだけでヨダレが出そうな男前が
オーナーの 紺野 一鳳さん

僕は カウンター越しにでも
抱きついてしまいそうになる衝動と
戦っていた


 

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