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兄貴は両親が他界した後
それまでの
仕事やバイトを辞めて

俺を探しながら
親父がやってた飲み屋を
売った金と保険金とで
ボーイズバーを始めた
らしい

俺は できるだけ
店に出てくるなと
言われてる

一応
商業高校を卒業出来た俺に
兄貴は
事務所で経理の仕事を
するように言い

今ではマネージメントなんかも
任せてくれてる

仕事中は
用意された制服のスーツを着て
PC用メガネをかけている

今日は 店から
女の子達の
騒がしい声が聞こえてくる

「うっせぇなぁ」
呟きながら様子を見に行ったら
グラスが落ちて割れた

でも女の子達は
おとなしくならないから
手前に居た子を
椅子から抱き上げて

床にストンと降ろして
兄貴を見た

出てきたらマズかったかな？

思わず兄貴から目をそらしたら
俺より小柄なリーマンと目があって

バッ！
っと体に電流が走ったみたいに
動けなかった

どのくらいたったのかな
そこから逃げて
事務所でメガネを外し
机に置いた
けど息がうまくできない

目をつむると
顔が思い出されて
ドキドキして
閉じていられない