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突撃せよ

第1章 扉の向こう側






僕らは双子の兄弟だ。

同じ部屋を共有してる僕らの隣部屋には、年の離れたお兄ちゃんがいる。


それは暑苦しい真夏の夜、あまりの寝苦しさに僕は目覚めた。

よく眠れるよなと、双子の片割れを見ると鼾をかきながら爆睡してる。


僕らの部屋は運悪くエアコンが故障して、それはもう地獄のようだった。










「ん、…はぁ…」




どこからともなく啜り泣くような声が聞こえてきて、僕は身震いした。


深夜だから余計に怖くて、眠る双子の弟浩太を揺さぶり続ける。




「こう、た…起きて…」

「ふあぁ…なんだよ…うるさっ…ぃ」




デカい欠伸とともに、浩太は僕を不機嫌そうに睨みつけた。

寝起きが悪かろうが、そんなこと構ってられない。




「お願いっ…トイレに着いてきて…欲しいんだ…」

「ごめん………無理」

「僕が此処で漏らしでもしたら、浩太に責任取ってもらう!!」

「寝てるから、聞こえませーん」




薄情な奴だ…

僕は最初から、浩太はそういう奴だと思っていたよ!!




「ああんッ!!」

「!!」




静まり返った廊下は怖いものがある。

今度はハッキリと聞こえた。

これは間違いなく男の…

聞こえてきたのは、確かにお兄ちゃんの部屋からで。

僕は知ってる。

お兄ちゃんが、こっそり薔薇族といういかがわしい雑誌を愛読してることを…







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