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オキナグサ

第6章 違和感


しかし特に連絡をする用事もない

どんな風にメールをしたらいいのか


考えて考えて

無駄な時間を過ごしていた
ある日

会社の接待で飲みに来ていた帰り
通りすがりの公園から聞き覚えのある声が聞こえて来た


覗いてみれば、ここ最近思いを寄せていたミホさん
と、もう1人の男性

ミホさんが一方的にまくしたてるように彼に告げた内容は、付き合うための条件?


それを聞いていた男性は震え始めてしまう

その異常さについ声をかけると、男性は走り去ってしまった


その時のミホさんは
今まで見たこともないぐらい弱々しく笑っていて

俺の心がこれまで経験がないほどに痛んだ

何故ミホさんにそんな顔をさせるんだ
笑ってほしい
いつもみたいに、飄々としていて欲しい

なのに



俺が必死にミホさんから言われたことをそのまま返すようにミホさんの自虐を否定すれば、ミホさんはだんだん恥ずかしそうな顔へと表情を変える

その顔を、さっき走り去った男性ではなくて俺が引き出せたことが嬉しい

誰にも見られないこの場所で俺だけに向けられる表情が、心地いい


そうしていつもの調子を取り戻したミホさんに提案された交際の話に

俺は

素直に嬉しいと思った

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