オキナグサ
第6章 違和感
「あり得ないこと想像してムッとしないでよ」
クスクス笑う聖くんに顔を向けると、また唇を合わせられた
耳、触られると擽ったいな
だが頭を引き寄せられる感触は悪くない
どころか、すごく興奮する
舌で唇の合わせ目を舐められて従うように口を開けると、くぷ、と舌が挿入された
人の舌の感触は
こんなに気持ちのいいものだっただろうか
柔らかくて
ザラザラして
ぬるぬると滑って
口の中を擦られる度に生まれる快感に驚く
食べ物を食べても歯を磨いてもなんとも思わないのに
何故こんなに違うのか
「ん、ふぁ……ん……っ」
ふと口を離されると、聖くんと俺の間にどちらのものともつかない唾液の糸が出来て
ぷつん、と切れたそれが俺の口元を汚すと、それを聖くんに舐め取られた
「ベッド行こ……?」
甘える猫のように俺の鎖骨のあたりに顔をすりすりと寄せられると、胸がざわついた
なんだろう
こう
思い切り力の限り甘やかしたい
そんな気持ちだ
しかし、そう思わせた猫は俺が頷くのを見ると次の瞬間には俺を横抱きに抱き抱えていた
「あっ……ぶ、ない」
「ごめん。待てなかった」