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オキナグサ

第6章 違和感


そして、思い出したような顔をすると


「ねぇ、ローションとゴムある?」


と聞かれた


「……っ」


顔が熱い

以前買わされたものは、恥ずかしさのあまり持って帰ることはなく置いてきてしまった


「……な、い……」


なんとか答えると、「だよね」と僅かに笑われる


言った方がいいのか
いい、よな


手をぎゅ、と握りしめて
俺は決意を固めた

そして


「……っそのままでも、いい」


言った
言ってやった


側から見たら何のことかまるでわからないが、きっと聡い聖くんならわかるだろう


俺の中に、何も付けずに入ってきていい


その意味の言葉だと


案の定聖くんは目を見開いて驚いた顔をした
しかしそれは一瞬で


「はー……もう」


と、呆れたような声を出して俺にキスをした


「かわいすぎ」
「……っ」


男に可愛いだなんて、似合わない
まして俺は線が細いわけでもないし、中性的な顔立ちでもない

なのに、何故胸が疼くような感覚がするのだろうか


「でもだめ」
「! ……な、ぜだ」


勇気を振り絞った言葉を否定されて、さっきまで甘く疼いていた胸が途端にざわつく

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