オキナグサ
第8章 嫉妬
「うぁーー……気持ち悪い……」
しこたま飲まされた
俺酒は弱い方じゃないのに、何でかあいつらの方が強いんだよね
特に皐月
アレは完全にワクだ
何飲ませても平然として
同じ量俺に勧めてくるんだから、悪質
個人差があるんだよ
「あたまいだい……」
フラフラしながらタクシーで帰りついて、アパートの階段を這うように登る
鍵……どこにしまったっけ
すぐ開けられるようにしとかないと
モタモタしてるうちに吐いたらシャレになんない
なんとか鍵を見つけて漸く3階、と思ったら
「おかえり、聖くん」
俺の部屋の前に、朝陽さんがいた
「あ、さひさん……?」
「あぁ。すまない、こんなに遅く」
「え……い、や……いいけど……なんで……」
頭が回らない
というか、口も回ってない気がする
滑舌に問題はないけど、はっきり発音するためにゆっくりしか喋れない
せっかく来てくれたんだから、もっと話したいのに
「鍵開けられるか?」
「これ……」
「あぁ、持ってたのか」
俺の手にあった鍵でドアを開けて中に入れられる
そのままリビングに入ってから、俺はもう一度
「なんで……」
と尋ねた