オキナグサ
第8章 嫉妬
真っ暗な中から意識がゆっくりと浮上する
あ……俺、寝てた……?
身体全部が重い
目蓋もなかなか持ち上がらない
俺、なんでこんな疲れてるんだっけ
と、プチ記憶喪失になってすぐさま記憶を取り戻した
あー……いや、思い出した
朝陽さんにめちゃくちゃにされたからだ
でもそれにしては……あれ?
下半身の不快感とかないんだけど
いや、お腹は怠いんだけど
サラッとしてるし
ちゃんと寝巻き着てる……?
目を閉じた状態でうだうだ考えているうちに身体に力が戻ってきたらしく、目蓋を開けられた
まぶし
薄っすらと開けた横長の世界には、黒目を動かしてみても朝陽さんの姿は見えない
というか、今何時だろう
朝だったら朝陽さん普通に仕事だよね
ってうわーー……
それちょっと、いや結構
凹むな
また置き手紙だけ残されてたりして
普段なら仕事だしいいんだけど、これだけ怠い中で残されると、寂しさ半端じゃないよ
「……っさ、さ……ん」
朝陽さん、って呼んだつもりが、声枯れすぎてて何言ったのかわかんないな
「ぁ……ひ、さ……」
さっきと同じレベル
どうしよう
なんか結構寂しい