テキストサイズ

オキナグサ

第8章 嫉妬


「前々から上司に働きすぎだから有給を取れと言われていたんだ」


それって


「休んだ、ってこと……?」


俺のために?


朝陽さんは薄っすら笑みを浮かべながら頷く


「連絡をしたら喜ばれたよ。漸く休む気になったのか、何日休むんだって」


聞きようによってはすごく酷いことを言われてるようにも感じるけど、朝陽さんは上司からの信頼も厚いんだね


「そっか。ありがとう」
「いや、俺の方こそ、すまない」


無理させたな、と言いながらするっと朝陽さんに腰を撫でられる

それだけでちょっと反応しそうだ


「腹は?」
「減った……かな?」
「そうか、良かった。朝からそこまで買い物に行ってきて、消化のいいものをと作ってたんだ」
「え、手作り?」


そういえば自炊してるって言ってたっけ


「簡単な中華粥だが、食べれそうか?」


それは例え食べれなくても


「食べる!」
「それじゃ返事になってないだろ」


苦笑しながら今度は頭を撫でられる


何か食べた直後でも
お腹壊してても

朝陽さんが俺のために作ったのなら喜んで食べるよ


今回はそんな障害もなく食べれそうだけど
普通にお腹空いたし

ストーリーメニュー

TOPTOPへ