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オキナグサ

第8章 嫉妬


少し待ってから出てきたお粥を見てびっくり


「すごい本格的」


鳥のササミ肉が添えられて、中央にはネギ
卵の黄色が混ざったお粥は見本みたいだった


「中華粥」って検索するとこんなのが出てくるよね


結構前にお店で食べたのが美味しくて検索したのを思い出す


「そうか? レシピ通りなだけだぞ」


レシピ通りにも作れない俺には何も言う資格はありません


「いただきます」


軽く手を合わせてから、スプーンを手にとって食べる


「お、美味しい……」


前にお店で食べた時も衝撃的に美味しかったけど、朝陽さんが作ったのもそれぐらいに
いやむしろそれ以上に衝撃的な美味しさ


「そうか、良かった」


朝陽さんも少しは緊張してたのかな?
安心したみたいに息を吐いてる


「美味しいよ、本当に。お店で食べるより美味しい」
「言い過ぎだろう」
「嘘じゃないよ」


言い募れば言い募るほどなんだか嘘っぽくなるけど、本心だから


そう言ったら、朝陽さんは少し顔を赤くしながらも納得してくれたらしい


「わかったから、早く食べろ」


それからは無言で食べて、俺は茶碗一杯をぺろりと平らげた

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