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オキナグサ

第9章 狂嫉


自分のスマホを弄りながら写真のフォルダを漁る朝陽さん


「日高さんの写ってる写真か……」
「一緒に飲みに行ったりは、あんまりしないの?」
「そうだな……新人の頃はたまに連れて行ってもらっていたが、最近は部署内で打ち上げがあった時にいるぐらいで個人的な関わりはないな」
「そうなんだ」


じゃあ、本当にただ用事で電話かけてきてるって感じなのかな

でもそれにしては、電話の内容は仕事に関係したことじゃないっぽいし

わかんない人


「あぁ、いた。去年の忘年会のだが、この人だ」


忘年会の写真が大量に送られてきたのか、見せられたのは画像共有アプリに入ったままの写真だった


朝陽さんがこの日高さんに対して何か思ってるってこともなさそうだな

まぁ、恋人として俺を紹介しようとするぐらいなんだし、そうだよね


「へぇ、かっこいい人だね」


一般的に見たら


写っていたのは、見るからに仕事のできる頼れる先輩という風貌の男性

他の人と比べて背も高くて、スポーツをやっていたみたいに体つきががっしりしている

なにより穏やかな笑みを浮かべる顔が、大人の男らしくてモテそう


俺のタイプじゃないけど
ドMでもなさそうだし

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