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オキナグサ

第9章 狂嫉


数日経った頃
俺は普段家に帰ってダラダラしてる時間にスマホを家に置いたまま、ビジネス街に来ていた


うわ、すごい
朝陽さんが働いてるのってあのビルでしょ?

大きいな


目的のビルを見上げつつ1人でため息を吐く


さて、こんなことしてる場合じゃないぞ
隠れ場所隠れ場所……

あ、向かいのビルにコンビニ入ってる
丁度いいね


コンビニに入って、朝陽さんの会社の入り口を伺う


って言っても俺が待ってるのは朝陽さんじゃなくて、この前写真を見せてもらった日高さん

だからスマホを置いてくるなんて暴挙に出てる

朝陽さんに知られたら流石にまずいかなーと思って


そろそろ終業時間だけど、どうかな
朝陽さんと同じ部署だとしたら今週辺りは早く出てくると思ったんだけど

ってうわ俺すごい
幸運

本当は1時間ぐらい待つかもとか思ってたのに、今入り口から出て来たの日高さんじゃない?

ラッキー


スーツを着た背の高い男性が駅の方へと歩いていく


俺はコンビニで飲み物を買ってから、ゆったり歩くその背中を尾行した


探偵みたいで楽しい
なんてことは全くない

俺は結構この手のことをやってるから、色んな意味で慣れてる

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