オキナグサ
第9章 狂嫉
俺が5分以内には出て、とか言ったのにな
次からはちょっと気をつけないと
「ごめん、心配かけて」
『いや、ちゃんと無事ならいいんだ。でも……家にいる筈なのに電話に出られないのは心配した』
あぁ、やばい
「ほんとに、ごめん。ごめんなさい」
朝陽さんの心配して、逆に心配かけるようじゃダメだな
ちゃんと謝って、明日も仕事だからまたねって電話を切ってからも謝罪のメールをした
そうだ
朝陽さんの着信履歴をちゃんと見とかないと通知消えないままになっちゃうな
「!」
何気なく開いた着信履歴
そこには『未確認の履歴:39件』と書かれている
40回も俺に電話してたってこと?
「……っ」
やばい
なにこれ
嬉しい
朝陽さんには悪いけど、ずっと電話かけてるところの動画どっかに保存しとかなきゃ
この画面も、スクリーンショットで残しとかなきゃ
「ふふ……っ」
すごい悪いことしちゃったけど
その罪悪感と同じぐらい嬉しくなっちゃった
不謹慎でごめん
あんなに謝ったのに、全然反省してないみたいだ
でも
「朝陽さん、大好き」
なんて幸せなんだろう
俺