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オキナグサ

第9章 狂嫉


し、視線を感じる……?
なんで……


チラ、と日高さんの方に視線を向けると、バッチリ目が合った


う、うわぁぁあ……


パニック気味な俺の頭とは裏腹に穏やかな笑みを浮かべた日高さんが


「今日はまだ1人なの?」


とうとう俺に話しかけてきた


今日は『まだ』?
いつと比較して俺が1人だって言ってるんだ?


混乱して答えられないでいると


「!」


俺の膝に置いていた手に、日高さんの手が重なった


つ、捕まえられた?
ストーキングの罪で……!?


怖い、怖い、と掴まれた手を見つめる


「俺、前から君のこといいなって思ってたんだ」
「えっ……?」


なんだ、それ


「今日は俺にしない?」


ちょっと待って
この人何言って……


「日高、さん……?」
「加賀……!?」
「!!!」


あっ、朝陽さんが帰ってきたぁぁぁぁ……!?


やばいなにこれ


朝陽さんと俺が恋人
朝陽さんと日高さんが会社の先輩後輩

そしてそこへ

日高さんに誘われた俺

が加わって関係はややこしくなりすぎてる


「なに、してるんですか……?」
「もしかして、加賀知り合いだったのか?」

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