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オキナグサ

第9章 狂嫉


そんな、俺の暇つぶしなんて考えてくれてたんだ
いいのに
もっと自己中でも


「そっか、ありがとう」


この部屋からずっと出られなくて、朝陽さんが帰ってくるまで光も見えないような暗闇にいても

俺はなんとなくそれだけでも興奮できるような気がした


変態も極まるとすごいな


「ふぁ……」
「眠いか? 寝てもいいぞ」


至れり尽くせりでお風呂に入ってるみたいな寛ぎっぷりに、眠くなってきてしまった


「ううん、起きてる。朝陽さんと話したい……」
「……」


何も返事は返ってこないけど、嬉しそうなのは雰囲気でわかる


いつの間に朝陽さんは俺と並ぶぐらい変態になってしまったんだ

監禁なんて
喜ぶの俺ぐらいでしょ


「この布団、朝陽さんが使ってたやつ?」
「そうだな。今のベッドに変えるまではその布団で寝ていた」
「そうなんだ。やったぁ」


拭き終わって綺麗になった手で掛け布団を引き寄せてモフ、と顔を埋める


朝陽さんちの匂い
朝陽さんの匂い


「ふふふ……」
「上機嫌だな」


朝陽さんに頭を撫でられて、髪をすかれる


「もっと撫でて」
「あぁ」


なにこの生活
最高

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