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オキナグサ

第9章 狂嫉


最高な状況に甘えて、朝陽さんの手に擦り寄ったりしていると


「そういえば」


と朝陽さんが漏らした


「?」
「日高さんとは元々知り合いだったのか?」
「!!」


気を抜いてたから、当然聞かれるであろう質問だったのに過剰反応してしまった


「違う……!! 全然違くて……っ」
「なんだか、日高さんとは親しそうだったじゃないか」


なんか朝陽さんから黒いモノが溢れてる……!!


「違くて、その……っ」


ああ、やっぱり言わなきゃいけないよね


「あの……朝陽さんが、よく電話してたから……心配で、それで……」
「俺が? 信用がなかったということか?」
「違うよ!!!」


そんなわけない
信用できない人間なんかとそもそも付き合わない


「信用できないのは日高さんの方! 会ったことも話したこともないのに、こんなに可愛い朝陽さんの近くにいるなんて嫌だったの!」


朝陽さんの両頬に手を当ててぐいっと引き寄せらる
額同士がぶつかるほど近づいた


ほら
やっぱり可愛い

目を見開いて驚いてる顔も
嫉妬してる顔も

全部

朝陽さんの俺が知ってること全部、他人に知られるなんて我慢ならないから

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