テキストサイズ

オキナグサ

第9章 狂嫉


「だから会社出た後から尾行して、素性調査みたいなことしてた。それで家庭持ちのノンケならまだよかったのに、ゲイバーに入っていくのなんて見ちゃったから、万が一にも襲われたらどうしようって考えちゃって……」


本当ならこうやって全部話しちゃったら俺の悪いところ全部見られちゃうし、しない方がいいんだけど
朝陽さんの不安がすこしでも解消されるならって思って

でもこれで嫌われたら元も子もない


「朝陽さんに気がないことを確かめるまではやめられないって思ってたんだ……それがまさか、話したこともないのに言い寄られるなんて思わなかった……」
「……は……知り合いじゃなかったのか?」
「? 違うよ。俺が一方的にストーキングしてただけ。向こうは俺が昔バーに通ってた時に俺のこと見てたみたい」


そう言うと、朝陽さんの頭を掴むみたいになっていた俺の手に朝陽さんの手が重なった


「そう、なのか……」
「ごめんなさい……」
「いや、いいんだ。俺が勘違いしていただけなんだから」


前から知り合いで、親しい仲だったのかもって?


「スマホの反応は自宅にあるのに、どこを見ても聖くんがいないから、心配した……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ