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オキナグサ

第9章 狂嫉




どこを見ても俺がいないから?


「俺の家まで来てくれてたの?」


いや、それだと言いかた違うよね
どこを見ても……?


頭の中で一生懸命考えながら答えを探していると、そんな俺を見て朝陽さんが微かに笑った


「やはり、気づいてなかったか?」
「? 何に?」


スッと見せられたのは、タブレット端末

そこには、無人の俺の部屋が写っていた


「!!!」


これ、って


「カメラ……つけてた、の……?」


リアルタイムだよね、これ
だってほら、時計が完全にタブレットに表示されてたのと同じ時間


「あぁ」
「いつの間に……」
「さぁな」


うわぁぁ……その悪戯っ子みたいな笑い方も可愛い
可愛いけど
本当にいつつけたんだろう


「それと、これも。言わなければと思っていたんだが、秘密にしてて悪かった」


手渡されたそれは、俺が大家さんから渡されてた唯一の


「スペアキー……まで……」


基本1人だから恋人もいなかったし渡す家族もいないしで、あそこをいつか引き払う時に返すためだけに引き出しに入れてた

はず

なのに


っていうか、
こんなの持ってるってことは俺の監視はずっと出来るし家にも入れたってこと?

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