オキナグサ
第9章 狂嫉
「そんなの、ズルい……」
「悪かった」
布団に再び顔を埋めると、頭を撫でられた
悪いと思ってない……!!!
でも、でもなぁ
「スペアキー……っていうか、合鍵……俺が渡したかったな……」
「!」
呟いた言葉に、最初に返ってきたのは髪へのキス
それから
「それは悪かった」
と、本当の謝罪
そして
「ならこれ、借りててごめん」
と返されて
「今度は俺にちゃんと頂戴?」
強請られた
「……」
なんか、朝陽さんの思うがままって感じ
ここ最近は2回ぐらい完全にメスネコさせられてるし、絶対近いうちにお仕置きしてやる
「朝陽さん」
「ん?」
顔を上げて
1度手に握らされた朝陽さんの体温になった鍵を、もう1度温めさせるように握らせる
「これ、持ってて。俺のために」
「俺のためじゃなくて、聖くんのために?」
「そう。俺の、精神安定のために」
これだけ執着されて
俺がどれだけ安心して幸せなのか、きっと伝わってないんだろうけど
こんなに満たされたことって、今まで1度だってないから
「これからもずっと、俺のこと監視してて。ずっとずっと、離さないで」