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オキナグサ

第2章 お礼


セックスした人は入れたことないか
部屋で、なんて重いしねぇ


って

ジャケット適当に脱ぐなよ
シワになるから


「アサヒさん、ほらハンガー。ちゃんとかけとかないと」
「あぁ、ありがとう」


はー……ほんと手がかかるな


「シャワーとか風呂とか、起きたら貸すからもう寝てくれない? ……あー……仕方ないな、パジャマも貸すよ」


俺とそんなに体格変わらないし
適当にジャージとTシャツでいっか


「はいこれ。着替えたら、もうベッドも使っていいからとっとと寝て」


もう大分めんどくさい

せめて正気じゃないと、話す気にもなれない


もたもた着替えるのをなんとなく見守って
人のベッドに遠慮してるらしいアサヒさんをぐいぐい押し込んだ


「…………おやすみ……」
「はいはい、おやすみ」
「……」


長い睫毛をパチ、と動かしてから目が閉じる


寝息聞こえるの早っ

まぁ酔ってるし、疲れてたんだろうけど


「はー……」


俺の方が疲れたよ
もう

すやすや眠りやがって


「イタズラしちゃうぞ」


冗談のつもりで放った言葉に
ちょっとだけいいかも、なんて思う


だってこれだけ迷惑被ってるんだし
少しぐらい

ねぇ?

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