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オキナグサ

第3章 素敵なホテル


「別にいいよ。大学生で合ってる。それで?」


ムラムラしたって今はちゃんと食事したいんだから、公開プレイなんてやだよ俺


「……あ、で……その、一人暮らし、なんだよな?」
「そうだね」


なに、身辺調査?


「親には、カミングアウトというか、した……のか?」


あぁそういうことか

何オドオドしてるのかと思った


「アサヒさんがするの? というか、聞いてなかったけど前回俺と寝て自分の気持ちに決着はついたの?」


ゲイかそうじゃないか
悩んでるとか言ってなかったっけ


「あぁ。俺はやっぱり、同性愛者だったみたいだ」


さっきまでオドオド俺に質問してた癖に、自分のことははっきり言い切るあたり本当に決まったらしい


「そっか。悩みが解決して良かったね? それで今度は親に言うか言わないか悩んでるんだ」
「……」


沈黙は肯定、だね

俺はあんまり自分の話とかしたくないんだけど
めんどくさいな


「言ったよ、俺は」
「!! 言った、のか」
「言ったから、今一人暮らししてる」
「え……」


意味わかった?


「言って、追い出されたから、一人暮らししてるの」


別に実家からだって大学に通えない距離じゃないからね、俺

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