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オキナグサ

第3章 素敵なホテル


おなか、と反芻したアサヒさんは気まずそうに顔を曇らせた


「もしかして、前回も……? すまない、俺に知識がなく……」


しゅんとした顔はさっきと違って可愛いね
なんせ悩みの種がアレだから
男の種だから

なんて、親父臭すぎか


「普通はちゃんと出せばそこまでじゃないんだけどね。それに、あの時は俺もいいって思ったんだし気にしないで」


でも前回と今回は違うんだ

なぜなら俺が知っているから


「でもアサヒさん自覚ある?」
「何が?」
「ちゃんと出さないとお腹壊すってことはさ、ちゃんと出せないぐらいアサヒさんの量が多かったってことなんだけど」


人間ってこんなに出せるのって思うぐらい出てたけど


「え、と……それは……っ」
「普通の人がどれぐらいか知ってる? そこのお皿におしゃれに置かれてるソースぐらい出れば結構溜めてたなってレベルなんだけど」


中央に置かれた料理を彩るように、お皿の丸みに沿って雫型に置かれたソースを指差す


いや、これは結構いけない例えな気がする
料理してくれた方ごめんなさい


「それに対してアサヒさんはこんなだったからね」


今度はアサヒさんの横のコップに3分の2ぐらい入った水を指す

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