オキナグサ
第3章 素敵なホテル
そんな縋るような目してもダメ〜
「はい、ご飯奢って貰ったからこれぐらいは俺が出すよ」
財布の中にあったお金をひらりと手渡す
「…………」
お金を見つめてたって、錬金術師じゃないんだからどうにもならないよ
不安そうな目が俺へと向けられて、反射的ににっこり微笑みながら手を振った
「いってらっしゃい」
うわー
すっごい嫌そう
なんかもじもじしてるし
ああいうことした方が変に見られるし、買ったもので色々勘繰られちゃうんじゃないのかな
「ふっ……ふふ」
やばいやばい
人が全くいないわけじゃないのに、笑いが漏れて来ちゃった
これじゃ俺も変な人だ
って、アサヒさんアレ何してんの
なんかゴム以外にも色々カゴに突っ込んでるけど
カモフラージュかな
思春期かよ
「……買って、きた……」
「ぶふっ……!!!」
そしてコンビニから出て俺の方にやってきたアサヒさんを見て、俺は耐えきれずに吹き出した
「わっ、笑っ……!!!」
「ごめんごめん。あまりに可愛かったからつい……っ」
だってなんか無駄に綿棒とかタオルとか
その辺にあったやつ適当に突っ込んで買ってきてるんだもん