
オキナグサ
第3章 素敵なホテル
「お疲れ様、荷物は俺が持つよ。じゃ、ホテル戻って部屋行こっか?」
「……あぁ」
不服そうな顔
いかんいかん
あんまり見てるとまた不用意に吹き出しかねない
ご飯を食べに行く前にチェックインは済ませてあったから、ロビーでは止まらずそのままエレベーターで上層階へ
「あれ、レストランよりも高いところなの?」
「特に指定したわけではなかったんだが、そうらしい」
カードキーを見せてもらうと、ホテルの中でも結構高い階の番号が書かれていた
これはいいかも
「いい部屋だといいね?」
「? あぁ」
何にもわかってない顔
いいね
部屋に入ると
「うわー絶景!」
角部屋だったため、部屋の壁二面がほぼガラス張りという豪華な作りだった
高い位置だから、見られる心配もないってことかな
すごいすごい
「前のホテルで、夜景を喜んでいたから……」
「え、それで選んでくれたの?」
「こんなにいい部屋だとは思わなかったが……」
なにそれ可愛い
「ありがとう」
「……いや……」
照れてる?
ほんと、単純で面白いな
「さて、じゃあシャワー浴びますか。今度は俺も浴びていい?」
「あぁ」
