オキナグサ
第4章 告白
ていうか
顔も見ないまま隠されちゃったけど
誰だ?
タカさんの影から少しだけ、ほんの少しだけ、と声の方を見ると
「!!」
やば
ばっちり目が合ってしまった
「ミホさん!!! やっぱり!!!!」
そしてしっかり思い出した
ついこの前1回だけ会った可愛い系の子だ
なんか別れ際に恋愛感情匂わせてきたから、ってサイトのメッセージ拒否設定にしたんだっけ
ハンドルネームすら覚えてないけど
「ミホさん! やっと見つけました!」
「……あー……」
どうしよう、これ
ズカズカ俺に近づいてきて、俺の腕を掴む
「ちょっとお話ししたいことがあるんです……! お時間頂けませんか!?」
嫌な予感しかしないし
行きたくない
「なぁ、あんたさ。今俺がミホと一緒にいるの見えない? 今日は俺と遊ぶんだから、別の日にしてよ」
ちょっと
タカさんが本当にかっこいい
「それは出来ません! 今日じゃないと、きっと会ってもらえませんから! ずっと探してたんです。お願いします!」
会ってもらえないってわかってるなら引けよ、とこういう自己中心的な人が苦手なタカさんのこめかみがヒクついてる