オキナグサ
第4章 告白
頭を撫でられて、無性に腹が立った
『なんで答えないの? もしかして答えられないの? なんで?』
『だから別に大丈夫だって』
なにが
『大丈夫って何が? 俺の大丈夫は俺が判断するものなのに、何で勝手に決めつけるの? 言えないのを誤魔化してるようにしか見えないんだけど』
『はぁ? お前ちょっとしつこいよ』
しつこいって何
気になるから聞いてるんじゃん
なんにも隠し事しないって約束したのに
お前も
俺から、離れていくの
『……っ!!』
『おい、何やってんだよ!!! 俺のスマホ返せよ!!! 勝手に中見てんじゃねぇよ!!!』
『この女……っ、この前言ってた同じサークルの奴じゃないの!? 何にもないって言ったよね!?』
『何にもねぇよ!! ふざけんな!!!』
ふざけるな、は俺の台詞だよ
『こんな、もの……っ!!!!」
ボチャン、という音と
マグカップに入ってたコーヒーが飛び散る音
手に熱いコーヒーがかかったけど、そんなのはもう俺もその男も気にならなかった
ほんとは
気にして欲しかったけど
『おっ……まえ、マジでふざけんなよ!!!! 何してんだよ!!!!』