オキナグサ
第4章 告白
怒鳴られて、俺だって怒りの頂点だったから、カッとなった
『新しいスマホぐらいいくらでも買ってあげるから、他の人とは連絡とらないでよ!!! 俺だけ見ててよ!!! 約束できないならこの部屋から出さないから!!!』
驚愕に開かれた目
それを見つめながら頬に手を添えた
『ここで俺だけ見て、俺のことだけ感じて、ずっと俺のことだけ好きでいて……』
そう言った瞬間、驚愕していた目には恐怖の色が混じって
『……お前、怖いよ。異常だよ……』
呟くようにそう言われた
この程度で?
俺はずっとずっと我慢してたのに?
GPSだってつけてないし
会話を聞くことだって出来ないし
会えなければずっとずっと連絡を待つしか俺には出来ないのに
この程度で
そんな風に言われるの
『おかしいよ、お前……俺には付き合いきれねぇよ……』
そう言われて、小走りに俺の部屋を出て行った男の背中を俺は見てるしか出来なかった
あの時の気持ちが蘇ってきて
落ち着けるように息をついた
おかしい
異常
そんなこと、わかってないわけない
これがどうやっても、個性として認められるものじゃないことぐらいわかってる
「で? 君はそれに耐えられるの?」