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オキナグサ

第4章 告白


これでも大分丸くなったんだけどな


そんな相手に伝わりもしない気持ちで見つめると、お兄さんは俺に首を振って応えた


「おかしい……おかしい、ですよ……っ、そんな人に……」



見えなかったのに、だね


言われる台詞なんて大体パターン化されてて、想像がつく


ため息を吐くのを我慢しながら相手から言われるその言葉をただ待っていると


「ミホさん? こんなところで何をしているんだ?」


突然後ろから声をかけられた


「!」


えっ……

なんで、こんなところに


「アサヒさん……なんで……」


確かに駅まで遠くはないし、少し離れたところはビジネス街だけど

でも

なんで


「俺は、会社の接待で近くの居酒屋に来ていて……」


あぁ、そうか

この辺だったら、あそことあそこは雰囲気のいい人気の居酒屋さんだ


「あ、の……っ、失礼します!!」
「あっ……待っ……!」
「いいよ、アサヒさん」


突然走り出したお兄さんを止めようとしてくれたアサヒさん


いいよ、ほんとに

止めたって別に話すこともないんだし


「いいのか……?」
「うん」


なんかオドオドしてる

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