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絡み合う糸

第1章 絡み合う糸





射抜くようなだいちゃんの冷たい目に、俺は俯くことしかできなかった。

軽蔑された…

だいちゃんは俺の気持ち知ってて、笑ってたんだ。

気持ち悪い奴だって………。




「…っ、ひっ…く」




泣きたくなんかないのに、自然と涙が零れ落ちる。

好きになって…ごめん…

俺みたいな奴に好かれなかったら、だいちゃんはきっと幸せだった。




「泣きたいのは…俺のほうだから…」




ポツリとそう呟いただいちゃんは、悔しそうに顔を歪めた。




「なんで…っ!!」




怒りに任せただいちゃんの腕が、俺の胸ぐらを掴んで。

バランスを崩した俺は、倒れた衝撃で背中に強い痛みが走る。




「…っ…痛いよ…だいちゃ…」

「うるさい…っ!!」




涙で視界が歪んでいく………。

だいちゃんの側にいられれば、ただそれだけで良かった。

なのに、

俺は………




「俺が何も知らないて思ったの?」




聞いたことのないようなだいちゃんの低い声に、背筋が凍った。

もう…だいちゃんは…

全てを知ってしまたんだね………




「…っ…やぁっ!」




弾け飛ぶシャツのボタン。

乱暴に引き裂かれたシャツからは、素肌が晒された。




「なっ…なにこれ…?」

「見ないで…っ…やだっ…」

「へぇ…そういうこと…伊野ちゃんて淫乱なの?」




俺の肌にはたくさんの赤い鬱血混が散らばって、情事中に付けられたものだ。

だいちゃんには見られたくなくて、必死にシャツを手繰り寄せる。




「ねぇ、嬉しいでしょ…今から伊野ちゃんは俺に犯されるんだよ」




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