Cat Rabbit~猫と兎の愛の日常~
第1章 元旦じゃなくてもいい~二人でいるだけで~
……のはずだったのに、元旦当日。私が一緒にいたのは、カヅキちゃんではなく、蛍ちゃんとスワン様だった。
スキー旅行。本当は、こんな有名人たちと元旦を共に過ごせるなんて、嬉しいことのはずなのに考えるのはカヅキちゃんのことばかり。
スタイリストの仕事は、おじさんの知りあいという人が社長をしていて、セレクトショップだけじゃ大変だろうと気を利かせて回してくれた仕事だった。おじさんと社長の顔もあり、二人のことは無下にもできない。
カヅキちゃんに仕事の話をすると笑顔でお見送りしてくれた。本当は、どう思っているのだろう。スキーのサングラスで顔が見えないので、たびたび涙を溢した。青空とゲレンデの白色が今はこんなにも憎くて仕方がない。