完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第6章 完璧なご褒美に憂鬱なお仕置
「…それに社長は予定を入れてましたから…その日打ち合わせをしなくてもいいんですよ?」
実周室長は、その日社長が予定を入れていた事を覚えていたらしくて…打ち合わせの日をずらす案を出してきた――――…
「いや…その日の打ち合わせを逃すと…再来月まで時間が取れません…
来月には、他社からの視察や――――…県外視察や打ち合わせが予定されています!」
「――――…はい、役員も同じく忙しくて…」
曽根の誕生日しか予定はないのだ――――…
しかし、誕生日に私と一緒にディナーしたかっただなんて…
「///あのバカ……」
「ん?神谷さん…なにか言いましたか?」
「いえ!――――…とりあえず…普通の打ち合わせで構いません!
タヌキとキツネの戦いはそんな所で行うのではなく…仕事の成績でお願いいたします――――…と、お伝えください!」
「そ、そんなこと言えませんよ!!」
若月と馬場は私の言い方に動揺する!
「その日は、“おめでとうございます”だけでも十分です…
予定も詰まっているみたいですから――――…早めに解放してあげるのが…ベストなのでは?」