完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第9章 実周室長と財前さんの話し!
「違いますよ――――…
二股をかけた…卓郎の彼女に――――…そう、思っていたんです…
半分は…卓郎にも思っていましたけど…」
「は?彼女に?――――…って、半分は思っていたのかよ!」
すると、財前はお猪口ではなく…ビール用のグラスに冷酒をたっぷり注ぐと!
一気に飲み干した――――!
「!?財前…?」
「ん――――ップハ!…俺なら…卓郎の他に…何もいらないし…側に置いて…虐めながら…甘やかして――――あげるのにって…」
「虐めながら…甘やかしてって…凄い矛盾してる――――」
「卓郎には…そんな風に思っているって――――…知られたくありませんでした…
でも、あの日――――…別れても、二股彼女をかばう卓郎にも腹が立って…
卓郎が…もし、俺を選んでくれるなら――――…って、暴走してしまったのでしょう…あの時のキスは…そんな勢いのキスでした…」
財前は、グラスをゆっくりとテーブルに戻すと…
また、ため息をついた