完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第2章 完璧な別れと憂鬱な出会い
「はぁ~…で、どうするんですか?このままでは秘書課は昼ドラ並みに泥沼化ですよ!」
ため息をつくと…曽根社長は私をうっとりと見つめる…
だから――――…引きます…
「困りましたよね~…私だってこちらでの仕事は素人みたいなものですから…」
ん?――――…素人?
「はあ?素人って…なんですか?セキュリティの会社にお勤めだったのでは?」
曽根ニッコリと微笑むと
「ええ、結構有名なセキュリティ会社の部長クラスまで登り詰めましたよ!
でも、私の専門はネットワークセキュリティでして…お爺様の会社と畑は同じても作物が違うと言うか…なんと言うか…」
ネットワーク…セキュリティ?!
わが社は昔ながらの警備重視のセキュリティ会社…
そりゃぁ…ネットワークセキュリティに参入できたら万万歳だとは兼ねてから思っていたわけたが…
こんな形で突破口を切り開くとは…
前社長――――…斬新すぎる…