完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第9章 実周室長と財前さんの話し!
「///財前――――…もし…今、お前のなかで大事な人が居ないのなら……
このまま――――…流されて欲しい――――…」
俺は、財前の唇を追いかけながら…すがり付いた――――…
一晩限りでもいい――――…
長年引きずっていた思いに――――…蹴りをつけたい
「…大事な人――――ですか…いますよ」
その瞬間…俺の体は固まり――――…財前の唇を追いかけるのを止めた…
「///あっ――――……ごめん…忘れてくれ…
相手に悪いことをした――――…だよな…あれから…何十年もたっているんだ…お互い恋人や…大事な人がいてもおかしくないよな――――…悪かった…」
俺は、すがっていた体をスッと引いた――――…
自分の気持ちを素直に受け止められただけでも――――…
俺は満足していた…
やっと、前へ進めるかもしれない――――…