完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第10章 完璧なライバルと憂鬱なご主人様
なかなかの高物件で、私もそこに向かうのが楽しみになってきた
机の上の書類たちは気になるものの…
曽根と外食ランチも久々で…少しだがテンションが上がってきた――――…
ホテルの前でタクシーが止まり…金額を払い周りを確認する
流石に曽根とはバッタリ会うわけもなく…
私は、一応――――…ホテルのロビーに入った
一階の貸し店舗を提供してくれると言っていたが…
前は美容室が入っていたらしい…経営者が大きな店舗を見つけてそこへ移転したとか…
さらっと見た感じ…美容室にしては中途半端な広さである…
「警備会社の支店が――――…妥当…ねぇ…」
私は、ロビーを見渡しながら曽根の位置を確認――――…
と、曽根のマークがホテルへ近づいて来ている――――…?