完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第11章 実周さんと財前さんのお話②
「今度――――ちゃんとした準備の仕方教えますから…今日は、卓郎の努力に甘えますよ」
多分…見よう見まねの準備の仕方だったのだろう…
ほぐれていないし…洗浄も甘いのだろう――――…でも、頑張ったあとが見れる…
どちらも経験した事が有るかもしれないが…本格的にしたことは無いのだろ…
俺と出会わなければ――――…そんな事…知らずにすんだのに…
卓郎――――…ごめんな…
でも、もう――――…俺は卓郎と出会ってしまって…
卓郎の中に…種を蒔いてしまった…
俺は…卓郎が好きだった…大学の入学式で見かけた瞬間に…
“こいつだ”
と――――…全身が震えたんだ…