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好きにさせて

第7章 誓い


水族館を満喫し
俺達は最後に
土産コーナーに
立ち寄った


ぶらぶらと歩きながら
俺はあるものを
探していた


あ、あった


「茜」

「ん?」


「一個、買うてやるわ。
好きなん選べ」


「キー…ホルダー?」


「せや」


「あーうん」


でたでた
ふんわりした返事(笑)
意味わからんのに
なんでか聞きもせんと
とりあえず
うんって言うんや(笑)


「じゃあ…これ!」


「よっしゃ。
ほなレジ済ましてくるから
あっちで待っててな」


「うん」


レジを済ませた俺は
茜のもとへ戻り
駐車場へと向かった



車に乗り込むと
俺はさっき買った
キーホルダーと一緒に
ポケットから出した合鍵を
茜に渡した


「これ、渡しとくわ」


「えっ?」


「俺が仕事で家におらんかっても
これがあったら
いつでも来れるやろ?」


「尚…」


「茜が家におりたない時は
いつ来てもかまわへんから」


「だ、だめだよ」


「なんでや」


「だって私と尚は
そんな…」


そんな関係じゃない…か(苦笑)


「わかってるって。
恋人やない。

けど

恋人みたいなもんやろ?」


「……」



「悪いことしてるやなんて思わんと
恋人おったらこんな風にしたいなー
思うことを
気にせずにやったらええんや。
俺は茜にそうしてやりたいし
そうしてもらいたいねん。

あの時の続きを
大人になって
やってるだけ


それだけや」



茜は
鍵を見つめたまま
黙り込んだ


ちょっと…

鍵は早かったかもしれん


けど
親父さんから
いつ逃げ出したなるか
わからへんからなぁ…


「尚」


「ん?」


「どうして私に
こんなことまでしてくれるの?」


好きやから

ほっとかれへんから

お前と
少しでもおりたいから


と、俺は
言葉にできない感情を
心の中で呟いた

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