好きにさせて
第8章 恋人(仮)
水族館の帰りに
買い出しを済ませて
家に帰り
俺は台所を茜に任せて
ベットへと潜り込んだ
寝不足と軽い疲れ
それから
茜との誓いを済ませた
安心感で
俺はあっという間に
深い眠りに落ちていた
らしい
携帯のアラームが鳴って
目が覚めると
妙にスッキリしていて
まるで寝てなかったみたいやった
さて、起きるか!
寝室から出て
茜を探すと
茜は
ソファで
うたた寝をしていた
茜も疲れたんやなぁ
飯、作らして
悪いことした
そう思いながら
ゆっくりと茜に近づき
寝顔を覗き込むと
俺の気配を感じたのか
茜は目を覚ましてしまった
「…ん…尚…」
「起こしてもうたな。
もっと寝ててええで」
そう言いながら
茜の隣に腰を下ろし
ぼんやりした顔で
身体を起こす茜を
優しく抱きしめた
「もう、起きるから…」
そう言いながらも
茜は
俺に身体を預けた
「このシャツ
気持ちえぇなぁ」
「ん?」
「なんやツルツルしてて
気持ちええわ」
その手触りのいいシャツを
触りながら
俺はシャツのその向こうの
茜の肌を感じていた
「…うん…
着てても気持ちいいから
好きなの」
「そぉか…」
俺はもっと茜を
抱きしめていたかったけど
茜は少し俺から身体を離し
俺を見上げて
ニッコリと笑った
「おはよ。
寝ちゃってた」
「かまへんで。
それより疲れてたか?
飯作らしてごめんな?」
「ううん。
この部屋落ち着くから
寝ちゃっただけ」
「そうか。
茜?」
「ん?」
「おはよ」
「んっ…」
キスせずには
おられへんかった
俺を見上げる
茜の着崩れた胸元から
ちらっと
ブラが見えてたし
寝ぼけたままの
茜の笑顔は
最高で
「んっ…っ」
おはようには
濃厚過ぎるキスを
してしまっていた