好きにさせて
第2章 二人
茜を
チラチラ見ながら酒を飲むと
忘れていた
子供の頃を思い出し
俺はその思い出したことを
茜に覚えてるか
話しかけてみたりした
茜は昔のことを
覚えてたり
忘れてたりするが
気を使わない女と
話しをするその時間が
なんとも心地いい
目の前の女が
昔、ちょっと気に入ってた
茜というのも
なかなかえぇ。
なんで離婚したんやろうか
今、男はおるんやろうか
なんで小夜で働いてんのか
子供は・・おるんやろうか
茜に聞きたいことは
山ほどあったけど
まぁ、また今度でえぇか
と、次来る口実を
勝手に自分で作り
ええ気分になったところで
その日俺は小夜を後にした。
帰り際
茜はまた「待ってるね」
と俺に笑いかけ
誰にでも
言うてることやって
分かってんのに
ちょっと嬉しい俺がいて
それからは
引かれへんかなと
思いながらも
俺は週一のペースで
小夜に出かけた