好きにさせて
第12章 嘘
そう言うと
泣き止んで欲しかった茜は
また更に泣き始め
俺は
茜が落ち着くまで
何度も何度も
髪や背中を
撫で続けた
俺との不幸の始まりやと
悲しんでるんやろうか
前の旦那との
悲しい出来事を思い出したんやろうか
言い出せなかった事を
話して
ホッとしたんやろうか…
それとも
子供が産めないことを
悲しんでるんやろうか…
俺には
計り知れないものを
背負った茜の
心の重さを心配しながら
俺は
この
小さく
怯えるように泣く茜を
どこまでも
どこまでも
愛し続けたいと
思った