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好きにさせて

第13章 不通


「可愛いなぁ」

と、誰にも聞こえんように
耳元で囁くと
茜は何も言わずに
照れながら
少し怒ったような顔で
また俺を見上げた

その時の茜は
大きい声で
もう一回
言うてやろうかと
思うほど

可愛かった


なぁ茜

不思議やなぁ

俺とお前は
中学の時から
両想いやのに
なかなかスムーズには
付き合うことができんかった

あれからもう
20年以上経ってるんやで?

せやからこそ
俺はどうしても
どうにかなりたいと思うし
もう
茜を離したないと思うんや


お前の
全部を受け止める


せやから
結婚しよな

時間はかかるかもしれへんけど

な、茜


「何?(笑)」


俺はまた
茜の手を
ぎゅっと握ってしまってた
みたいや


「言うてええんか?」


「え?」


結婚してくれ


「大きい声では
言われへんこと
考えてた(笑)」


「もう(笑)」


あかん

キスしたい

抱きしめたい

舐め回したい

このままホテル行きたい


「茜、今日も泊まれるか?」


「ごめん。
帰らないと」


嘘やーーーん


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