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好きにさせて

第14章 結婚



「平田、喜んでたなぁ」


「そうだね」


「なんか嬉しいよな」


「うん」


「せやけどうるさかったな(笑)」


「うん(笑)」


「ほんまにスピーチなんか頼んだら
どないなるか分からへん」


「・・そうだね」








言葉にはせぇへんかっても

ほんの少し「結婚」という
話題がでただけで

俺達を包む空気は一変する




いつかは

どうにかせんと
あかんことやのに






「酒・・飲むか?」



「・・少し、もらおっかな」



俺は目の前の酒を
口に含むと
そう言った茜に顔を寄せ

可愛らしい
茜の口に
酒を口移しした


「元気だせや」


「…元気だよ」


帰らなあかんから
元気がないんやない

結婚の話題が
出たからや


せやけど俺は
そのことに触れずにいた


數十分後には
帰ってしまう茜と
そんな大事な話は
せん方がええ気がしたから



「今度、いつ来れるんや?」


「泊まりは
お店あるから
今度の日曜かな…」


「分かった。
ほな、その次の日は
久しぶりに
デートしよか」


「いいの?」


「えぇに決まってるやんか。
俺もデートしたいんやで?
それに
いっつも会うんは
部屋ばっかりで
かわいそうや思うてるんや。
どっか行きたいとこあるか?」


「ん〜…」


「気いつこうて
どこでも言うんは無しやで?」


「クスッ(笑)
じゃあ…イルミネーション。
どこでもいいから」


「わかった」

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