好きにさせて
第15章 決断
「ズズッ…」
「大丈夫?」
「平気や」
「はい」
見かねた茜は
俺にティッシュを
渡してくれた
「おう。
なんや久しぶりに泣いたら
鼻水止まらんなってもうた(笑)」
「いっぱい…泣いてたね」
「せやな(苦笑)」
「……」
「安心したんやろな…」
「安心?」
「あぁ。
茜と付き合うようになって
嬉しかってんけどな
なんやずっと
モヤモヤしててん。
ようやくスッキリして
ホッとした言うか…
よう分からんけど
まぁ
よかったっちゅうこっちゃ」
「それなら…よかった」
そう言いながら
茜も
ホッとした顔で笑った
「えぇなぁ」
「ん?」
「茜は笑うてるんが
一番可愛いらしいわ」
「…もう」
そうやって
照れるとこが
また可愛い
「俺は幸せやなぁ」
「……」
「茜を独り占めや」
「尚…」
茜を抱き寄せて
バスローブの中に手を忍ばせ
可愛らしい胸を触ると
茜は
クスクスと笑った
「さっきまで
泣いてたのに」
「せやな(笑)」
返す言葉もない
「あ、なぁ
落ち着いたら
なんや腹減らんか?」
「あ〜…うん、そうかも」
「ココ、食べるもん
注文できるみたいやで?」
俺は枕元にある
メニューらしきものを手に取り
茜にも見えるようにして
パラパラとページをめくると
茜が
「あっ…」
と、小さな声をだして
メニュー…らしきものを
両手で隠すように抑えた
「なんや、メニューやなかったなぁ(笑)」
それは
食べ物のメニューなんかやなく
大人のおもちゃリストのようやった
しかも
なかなかエグいやつもある
「隠さんと見せてぇな」
「じゃ、じゃあ…尚ひとりで見て」
「なんでぇな」
「だって」
「なんや?」
「ちょっと…リアルすぎる」
確かに。
せやけど
茜やってリアルなやつ
何本かは見てるやろうに