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好きにさせて

第15章 決断

そんな茜を
布団ごと抱きしめ

「許してぇな。
大好きやで、茜」

そう言うと

茜は
布団から
少し顔を出した


「どこが…好き?」

可愛いらしいなぁ

「料理うまいとこ」

「それだけ?」


「そんだけやあるかい。
いっぱいあんで?

そうやって
可愛いらしいとこも
甘えるんが下手で
頑張るとこも
おっぱい小さいとこも(笑)」


「ひどーい」


「ひどないやろ?
俺はそれが好きなんやから。

茜は?」


「え?」


「俺のこと好きか?」


「…うん…大好き」


「どこが?」




「仕事の帰り
お互い別々にコンビニで
お弁当買って帰った時にね」


「おぉ、なんや?」


「それがたまたま
同じもの買ってた時
『おんなじもん買うてたな』って
嬉しそうにするところ好き(笑)」


「なんやねんそれーー」


「クスッ(笑)
だって可愛いんだもん」


「可愛いない!
もうそんなこと言うなら
もう一回入れるで?!」


そう言って
茜をくすぐると

茜は
楽しそうに笑ったあと
俺にぴたりとくっつき
甘えるように
頰をすり寄せた


「どうしよう・・」


「どないした?」


「尚が・・好き」


「あかんのか?」



「重いでしょ?」


茜は
前の旦那に何か言われたことがあるのか
そんなことを言いながら
俺に強く抱き着いた


「重いくらいが
ちょうどええ」



「ほんと?」



「あぁ、ほんまや。

正直・・
俺は茜に好かれてんのやろかって
気になるときあるからなぁ。

それに


俺の方が重いくらい
茜が好きやで」



「尚・・」



「早う引っ越ししよな」


「うん」


「早う
茜と一緒に住みたいわ」



「・・うん」




今でも忘れへん

その時の茜の顔は
ほんまに幸せそうやった


けど
それからの茜に
この時みたいな笑顔は
なかなか戻っては
こうへんかった

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