好きにさせて
第5章 部屋
その日から
俺と茜は小夜以外で
時々会うようになった
外で会うこともあるし
茜が
俺の部屋に来ることもある
最近は
店の帰りに部屋に寄って
残りものの総菜を
置いていってくれることもあるんや
そんなある日曜日の夜
夜勤明けからの残業で
やっと目が覚めた俺に
茜からメールが届いた
『帰りに残り物持って
ちょっと寄ってもいい?』
『おう。
上手い総菜待ってんで。
何時でもええから
出るときメールくれ』
もう8時か・・。
それから俺は
ちょっと気だるい身体を起こして
風呂に入った
8時にメール来たっちゅうことは
今日は暇やってんなぁ
そんなら早う店閉めて
さっさと来たらええのに
そんなことを考えながら
湯船につかり
風呂から出ると
酒のストックがあるか
気になって冷蔵庫を開けた
冷蔵庫の中には
数本のビールと酎ハイしかない
足りひんかな・・
そう思った瞬間やった
ピーンポーン
誰や?
茜か?
やばい!メール見てへんかった!
「は~い」
メールを開きながら
玄関の覗き穴を確認すると
外にはもう茜が立っていた
けど
ちょっと待て!
俺、上半身裸やねんけど!
でも外は
すごい雨で
茜がめっちゃ寒そうにしていた
しゃあない
とりあえず
中に・・
俺はバスタオルを首から下げたまま
ドアを開け
「すまん、とりあえず入って」
と、濡れてる茜を玄関の中に入れた