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好きにさせて

第5章 部屋


ちょ、ちょっと待て!

どういう意味や!


もしかして
誘ってんのか?


いや
そんなわけない

すぐに
耳を赤くするような茜が
誘うわけがないんや


考えろ、俺!

茜は
俺になんて
言うて欲しいんや…


「どうもせーへんで」


「え?」


「なんの問題もないっちゅーことや。
茜がここにおりたいなら
好きなだけおったらええ。

さっき言うたやろ?」


「………」


「添い寝してやるで?」


もう一回
アピールしてみた(笑)


「あー…そんなこと言われたら
ほんとに帰りたくなくなっちゃう(笑)」


え?どこ?
そんなことって
どのことやねん!

好きなだけっちゅうとこか?
それとも
添い寝か?!


「ほな、おったらええ」


「本気にするよ?」


「かまへんで。
俺は茜におって欲しいし」


「…ほんと?」


そう言いながら
茜は俺の顔を覗き込んだ

あかん

こんな大事な時に
茜の胸元が
気になって気になって
しゃーない!!

けど見んようにせんと!

見たらバレる!

絶対見てんの
バレてまうから!


「ほ、ほんまやって」


「明日、休みだよね?」


「そうや。
なんの予定もないし
かまへんで」


「どうしょっかな…」


泊りたい。

そう茜はいいたいんや。


「なぁ、茜」


泊りたい理由
俺は
なんとなく分かってんで


「ん?」


「親父さんと
うまくいってないんか?」


「……ん〜…」


多分、図星


俺は
お前が親父さんと
うまくいってないこと
薄々感じてたんやで


中三の時

茜と疎遠になった
あの時から



「せやったら泊まれ。
まだ雨ひどいし
もうええ大人なんや。
泊まって家に帰らへんかっても
かまへんやろ」


「ん~・・」


茜は
膝をかかえて
身体を丸くした

しゃあないなぁ

本当は帰りたくない
お前のために
俺が言うたるわ



「もう今日は帰るな」




「・・・・うん」



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