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好きにさせて

第1章 メアド


「ほな、また来るわ」


「ほんと?」


ほんと?と
いたずらな顔で俺を見つめる茜に
妙な懐かしさを感じながら
俺は店内を見回した


「ほんまや。
店暇そうやしな
俺、貴族やから来たるわ」


まぁ暇そうなのは
嘘じゃないけど
俺はもう少し
茜と話がしたいと思った


「俺な、交代勤務やから
邪魔くさい言われて
実家やのうてアパート借りてんねん。
せやから飯食いにでも寄るな」


「うん、ありがと。
待ってるね」


ただの営業トークだろうが
『待ってる』という言葉は
心地いい


「あ、連絡先聞いてもええか?
俺のLINEは・・」


「メールでいい?」


「メー・・ル?」


「うん、LINE・・好きじゃなくて」


「そうか。
ほなメアド教えるから
後でメール送ってな」



「うん、わかった」




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