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桜花楼の恋

第7章 募る想い

・横尾side

裕太が郭へ行った翌日。



横「そっか、あいつそんな事を健永ってやつに」

ニ「でも、そのあと部屋へ行ったらミツが」



泣いてた?



ニ「それで中へ入ることも出来ず」



だろうね、それじゃ。



ニ「千賀が言ってた本当はガヤのこと好きなんじゃないかって」

横「お前はどう思う」

ニ「同じ、けど」

横「認めないんでしょ」

ニ「あぁ」



問題はそこ、まずは当事者同士がなんとかならないと。

いくら周りの連中が、この現状をどうにかしようとしたってなんの意味もない。

やはり、やるしかないか。



横「ニカ」

ニ「んっ?」

横「俺に少し考えがある」

ニ「どうしようっていうんだ」

横「なんにも聞かず任せてくれ、これは太輔にも内緒にしている事」

ニ「ガヤにも」

横「言ってみれば俺の独断による」

ニ「なっ」



下手すれば、あいつの怒りをかってしまい命すら落としかねない程の。



横「月が変わった最初の晩あの郭へ行く」

ニ「‥‥っ」

横「お前のやることはただ1つ、たとえ俺が何をしようとしても信じ隣の部屋で呼ぶまで待っていてくれ」

ニ「それって」

横「あぁ、戸塚太夫の部屋さ」

ニ「わったー」

横「いい?分かった」




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